トップページ

京都あちこち写真集 かみやすめ

vol.29 明倫小学校

江戸時代の終わりに東京へ都が移ったことで京都の町は一気にさびれてしまいそうでした。『それではいけない、なんとかしよう』と、京都の人々は町をあげて発奮しました。(そのひとつの大規模な土木工事のことは、すでに『かみやすめ vol.10 蹴上・浄水場』で触れています。)そこで出来たのが、日本で始めての学区制による小学校です。国として学制が定まる3年前の明治2年、京都では番組と呼ばれる各地域単位の町衆がお金を出し合い、64の小学校(番組小学校という)をつくりました。ある学校は中学校に姿を変えたりしつつも、それぞれの学校は歴史を刻み地域の人々に愛されつづけてきたのですが、最近の少子化には抗えず、統廃合によって3分の一ぐらいに減ってしまいました。由緒ある愛すべき校名とともにすっかり姿を失くした学校がいくつもあります。一方で別の施設に生まれ変わった学校もあります。

明倫小学校は1993年に小学校としての役目を終え、2000年より京都芸術センターとして京都市の施設になりました。若手の芸術家の支援、現代の芸術の情報収集発信の場、グローバルな芸術活動の拠点であり芸術と市民の交流の場、を目的に稼動しています。

この建物自体は昭和6年に改築された小学校の建物を利用していますので、内部は小学校らしさが存分に残っています。あの懐かしい油引きした教室の匂いが満ちています。このあたりは京都の呉服商が軒をつらねていた(今はどんどん数が減り、マンションが多い場所になっていますが)室町にあたり、この小学校の建物も室町の財力を感じさせる贅沢な造りになっています。外壁の装飾であるテラコッタ、内壁にはマホガニー色の腰板、寄木細工の階段踊り場、つやつやの階段手すり。たくさんの教室はそのまま制作室になって、芸術創作や演劇活動などに無償で貸されています。

中庭は校庭そのまま。周りのベンチでボーっとしている男性をたくさん見かけました。居心地の良い場所、穴場です。

明倫小学校 明倫小学校
明倫小学校 明倫小学校
明倫小学校 明倫小学校
明倫小学校 明倫小学校
とても懐かしい空気が流れている空間です。
このような空間を、街のど真ん中に残しているのは、ここくらいかもしれません。
明倫小学校 明倫小学校
明倫小学校 明倫小学校
静かなのでここで勉強している人もいます。
明倫小学校

前田珈琲明倫店

1階には、イノダコーヒーとならぶ京都の老舗コーヒー店、前田珈琲がお店を出しています。教室の1つを利用していますので、ついつい和んでしまう雰囲気。コーヒーはかなりおいしい。メニューも豊富でしかも手頃なお値段。たとえばスープセット(スープにバゲットのセット)は500円足らずだし、サラダ・ドリンクつきの野菜カレーも700円から。アルコール類もいろいろ楽しめます。ブランチにもランチにもよし、お茶するのもよし、晩ご飯を食べに行く前に食前のアルコールを楽しむなんていう利用の仕方もいいですね。

明倫小学校 明倫小学校
明倫小学校
明倫小学校

京都芸術センター

2004年10月6日撮影

Googleマップを確認